回復過程
うつ病は急に治る病気ではなく、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら回復していきます。
長期間の治療になるので、もう治らないんじゃないかと不安になることもあると思いますが、治療を続ければ必ず良くなりますので、安心して下さい。
うつ病の回復までの過程は、アメリカの精神科医であるクレイネス博士が6つの段階にわけました。
回復過程にはもちろん個人差がありますので、絶対にこの過程をたどるわけじゃありませんが、ひとつの目安になると思いますので、この6つの段階についてご説明したいと思います。
段階1 前駆期
徐々にエネルギーが失われている状態で、心か体のどちらかに症状が現れてきます。
焦燥感、イライラ、早朝覚醒、食欲低下、疲労感、無関心、気分の落ち込み、動悸、胃腸の不快感など。
段階2 初期・中期
抑うつ気分が強くなる時期で、心と体にハッキリと症状が現れます。
日常生活が困難になり、他人との交流が重荷になり、対人関係が悪化していく。
睡眠障害、食欲不振、疲労感、無感動、決断力の低下、思考力の低下、性欲減退、興味喪失など。
段階3・4 極期
もっとも症状が重い時期です。
思考、感情、意欲がなくなり、ひたすら精神的苦痛に耐えるだけの状態。
生きる意欲も弱く、自殺願望もあるが、実行するだけの気力がない。
ほとんど寝たきりの状態です。
段階5 回復期
回復の兆しが見られる状態。
体の不調から治り始め、食欲も出てきて不眠も徐々に解消されてくる。
精神面で改善と悪化を繰り返すので、焦りなどが生じ、心身のバランスが崩れてもっとも自殺の恐れがある状態。
段階6 回復期
心の方もだいぶ回復に向かってきて、気分的にやる気や希望が湧いてくる。
不眠もだいぶ解消して、疲労感なども少なくなってきます。
ただし、無理をすると症状がまたぶり返すことがあるので、注意が必要です。
私の経験談
私は段階2くらいの時に病院に行き、3ヶ月くらいゆっくり休んだらかなり回復したので、その時は段階3・4のようなそこまで重い症状はなかったのですが、その後無理をしてまた症状が悪化し、今度は段階3・4のような最悪な時期も経験しました。
この頃はほんとに寝たきり状態で、毎日もう死にたいと思っていました。
しかし、そんな状態も、時間が経過していけば徐々に回復していきます。
一番危険だったのは、このグラフにもあるように、回復期だと思います。
この頃は社会復帰への焦りが非常に強かったのですが、仕事で色々と大変なことが起きて、精神的にかなり不安定になり、大量のお酒と薬を一気に飲んで自殺未遂しました。
ま、薬を大量に飲んだくらいじゃそう簡単に死なないので、死なずに済みましたが、今考えるとバカなことをしたと思います。
周りにも散々心配かけましたしね。
治療中はなにかと不安なことばかりですが、時間が経過すればかならず良くなりますし、後になってみると、くだらないことで悩んでいたな~なんて思います。
必ず良くなりますので、焦らずに治療してみて下さい。